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子供の鉄 欠乏性貧血治療方法と症状

子供の鉄欠乏性貧血の原因は、赤ちゃん・幼児・思春期など、子供の成長段階・年齢によってかなり違いがあります。今回は鉄欠乏性貧血の治療方法や、気になる症状の特徴、そして鉄欠乏による貧血の原因などについて解説していきます。

 

<鉄欠乏性貧血が起きると体内ではどうなる?>

 

鉄分は赤血球を作り出すのに必要な栄養素です。体内に鉄分を摂り込むとフェリチンと呼ばれる貯蔵鉄となります。しかし鉄分不足でフェリチンが体内に少なくなると、血液をたくさん作る事ができなくなってしまい、血液は薄くなります。

 

体内でこのような状態になる事を鉄欠乏性貧血と呼んでいるのです。

 

鉄欠乏性貧血が起きると、子供の体にも目立った症状が現れ始めます。それが下記の通りです。

 

<子供の鉄欠乏性貧血の症状>

 

子供の鉄欠乏性貧血の症状には、

 

・顔色が悪い日が続く
・疲れやすい
・動悸・息切れ・めまい
・注意力が散漫になったり集中力が無くなる
・持久力が低下する
・記憶力が低下する
・舌炎・口角炎が起こる
・まぶたの裏が白い
・立ちくらみがする

 

このような代表的な症状が挙げられますが、更に長期間鉄分不足が続いてしまうと、

 

・爪が反りかえる「スプーン爪」になる
・味覚異常を引き起こす
・粘膜萎縮が原因の嚥下障害(物が飲み込みにくくなるなど)
・身長や体重の伸び率の低下
・認知力の低下
・記憶力の更なる低下

 

…などの症状が起こります。

 

<子供の鉄欠乏性貧血の症状は見過ごされがち!?>

 

子供の鉄欠乏性貧血の症状はひどくなってくると本人も立ちくらみやめまいが顕著に出る事が多いので症状自体には気付きますが、倒れでもしない限りは「なんだ。ただの貧血や立ちくらみか。」と軽く考えてしまい、あまり本人も周囲も問題視しません。

 

そうこうしているうちに体がたびたび貧血状態を起こしていると、体がだるい・持久力がなくなってきたなどの症状が現れているにも関わらず、それが自分の当たり前の体調だと勘違いしてしまって見過ごしがちになってしまうのです。

 

そのため偶然受けた検診で貧血が見つかったり、ずっと体調が優れないので血液検査をしたら鉄欠乏性貧血が判明したという例が後を絶ちません。

 

しかも思春期やある程度育った子供であれば自ら体の不調を訴える事ができますが、まだ小さな子供のうちは自分で不調を訴える事ができませんので、親の目から見ても明らかに不調が出るまで気付かない事も多いです。

 

子供の爪を見て、爪が反りかえるスプーン爪と呼ばれる状態になっていたら鉄欠乏性貧血の可能性が高くなります。まだ小さい子供のうちは、率先して時々チェックしてあげると良いでしょう。

 

<子どもの鉄欠乏性貧血が起きる原因とは?>

 

子供の鉄欠乏性貧血が起きる原因は子どもの成長タイミングによって様々です。子供が成長していく過程で鉄欠乏を起こして貧血になりやすいタイミングは、新生児・乳幼児期・思春期が挙げられますが、その他に幼少の頃は牛乳を飲みすぎる事で起きる牛乳貧血と呼ばれるものがあります。

 

それでは一つ一つ見ていきましょう。

 

■新生児(生後6か月以内)の赤ちゃんの鉄欠乏性貧血

 

生後6か月以内の新生児の赤ちゃんは生まれてくる時に半年分程度の貯蔵鉄(フェリチン)を肝臓に蓄えて生まれてくるため、本来は貧血を起こさないものです。

 

しかし低出生体重児として生まれてきた場合は肝臓に充分なフェリチンを蓄える事が出来ずに生まれてくるため半年以内にフェリチン切れを起こしやすくなります。

 

また、妊娠中に母親が貧血気味だった場合、栄養を取り込むお母さんがすでに鉄分が足りていないわけですから、体内の相鉄量が少なければ赤ちゃんの貯蔵鉄にも影響が出てしまいます。

 

もしも新生児のうちに貧血が起こったとしたら上記のどちらかが原因である可能性が高いです。

 

■乳幼児(生後6か月〜24か月)の鉄欠乏性貧血の原因

 

乳幼児の鉄欠乏性貧血の原因ですが、離乳食の時期に突入する頃になると、乳児期とは食生活に変化が見られます。

 

まだ一度にたくさん食べる事ができない事と、親が与える食事によっては鉄分が足りていない可能性がある事、そして子供の好き嫌いがあってなかなかバランスよく食べさせるのが難しいといった事が鉄欠乏性貧血の原因となります。

 

この他に考えられる原因として、この時期は急激に成長が進む時期です。これによって鉄分の消費が激しくなり、鉄分が不足してしまう可能性があります。また、免疫力が低下してきて数々の病気にかかりやすくなるのもこの時期の特徴です。

 

病気で体力が消耗するので、それに伴って鉄分が消費されやすくなってしまう事もあるのです。

 

■牛乳貧血…牛乳の与えすぎが貧血の原因に!?

 

牛乳貧血は意外と知られていない子供の貧血の原因です。乳幼児期に牛乳を大量摂取してしまったり、牛乳を与える時期が早すぎると鉄分が吸収しにくくなったり、タンパク質が漏出したり、腸の粘膜からの出血が増えて貧血を起こしやすくなってしまいます。

 

子供の牛乳貧血を予防するためには、1歳になるまでは牛乳を与えないようにする事が大事です。時々パンをミルクでふやかしたミルク粥を与えているお母さんも見られますが、1歳までは大変でも別の離乳食を用意するようにしましょう。

 

また、1歳を過ぎた後の幼児でも、1日に600ml以上飲ませてしまうと牛乳貧血が起きる可能性があるため注意しなければなりません。ほどほどに飲ませる分には牛乳も栄養が豊富なので大事な事です。

 

小さな子供には大人と同じ感覚で牛乳を飲ませず、量を考えて与えるのがベストです。

 

■思春期に起きる鉄欠乏性貧血の原因は?

 

思春期は男の子も女の子も体に劇的な変化が訪れる時期です。男の子はより男の子らしく、女の子はより女の子らしい体つきへと変化していきます。体が急成長するという事は、それだけ体内でも栄養素を今まで以上に必要とするという事になります。

 

思春期になるとものすごい食欲でたくさん食べる子が多くなってきますが、それでも毎日の食事に気を使っていないと好き勝手に食べてしまうので、鉄分の多い小松菜やレバー、ほうれんそうといった野菜や臭みの強い食品は手を出さない事もあります。

 

普段しっかり食事をしているように見えても、体の急成長に摂取する鉄分が追い付かないと鉄欠乏性貧血が起こってしまいます。

 

また、女子は生理が始まりますので、生理の時期には体の急成長に必要な鉄分の他にも生理に備えての鉄分も必要ですし、自分の容姿が必要以上に気になるお年頃ですから無理なダイエットを行ったり、友達と外食したりして偏食がちになってしまうと鉄分不足が加速してしまいます。

 

成長期のしっかりとした栄養が必要な時にダイエットや偏食で必要な栄養が摂取できなければ、貧血だけでなく色々なところに支障が出てしまいますので気を付けなければなりません。

 

しかしごく稀に、消化管出血(潰瘍)が原因で貧血を起こしている可能性もあります。この場合は便に血液が混じるため、便の色は黒くなります。

 

<思春期の子供はスポーツ貧血も気を付けましょう。

 

思春期に入ると本格的にスポーツの部活に入って活動を始める子供が増えます。学校や地域によっては強制部活の所もあり、学年全員が何かしらの部活に入らなければならない事もありますので、興味のある子供は好きなスポーツの部活に入部する事が考えられます。

 

しかし思春期の子供が激しい運動をすると、それが原因で貧血が起こってしまう事があります。それがスポーツ貧血です。

 

従来スポーツ貧血の症状は軽いもので気にすることはないと考えられていましたが、思春期の子供の場合はまだまだ体が発達途中です。小児科医たちからの症例報告で徐々に重度のスポーツ貧血が起こる事がわかってきています。

 

スポーツ貧血を起こしているにも関わらず、気付かずに激しい運動をし続けると、けいれんや失神、果ては心不全を引き起こす可能性もあり、重篤な命に係わる症状を引き起こす事もあるので決して軽視できない症状です。

 

思春期の子供が学校を休みがちだったり、体調を崩すことが多かったりすぐに休みたがったり、イライラしていたり成績がどんどん下がってきたときは何かしら原因があります。まずは怠けていると思わずに、鉄欠乏性貧血の可能性が無いかや、学校生活が順調なのかどうかを探ってみる事をおすすめします。

 

貧血の疑いがある場合は内科などで血液検査をしてもらうとすぐにわかりますので、貧血の可能性が見えてきた場合は医療機関で検査してもらいましょう。

 

<子供の鉄欠乏性貧血 治療方法はどうすれば?>

 

<食事内容を見直す治療方法>

 

鉄欠乏性貧血は鉄分不足から起こりますので、治療方法の第一段階として適切なのはまずは日々の食事でうまく鉄分を摂取していくことが大事です。これが習慣化し、長い目で見れば貧血の改善・予防につながっていきます。

 

鉄分はレバーなどの動物性食品に多く含まれており、これらの食品に含まれている鉄分はヘム鉄と呼ばれ体内への吸収率が良い種類の鉄分です。

 

小松菜・ほうれん草などの植物性食品には非ヘム鉄と呼ばれる鉄分が含まれていますが、非ヘム鉄は吸収率が良くないので貧血の治療方法としては即効性があまり無いためおすすめできません。

 

早期に子供の鉄欠乏性貧血を治療したいと思っているのであれば、鉄分、それもとりわけヘム鉄を多く含む食品を食生活にうまく取り入れていく事が大事です。

 

<がむしゃらに鉄分を摂るだけでなく栄養バランスを考えましょう>

 

食事の内容に関してはただヘム鉄を摂れば良いだけではありません。その他のビタミン類などもバランスよく摂取する事で成長期の子供の体作りに良い影響を与えてくれます。

 

ジャンクフードやファーストフード、スナック菓子や炭酸飲料を頻繁に摂取しすぎると栄養バランスが偏り、鉄分の吸収効率が悪くなったり鉄分不足になり、それが貧血の原因に発展してしまう事もあるので気を付けなければなりません。

 

<成長期や思春期のダイエットが仇となる事も>

 

思春期に突入すると自分の体にコンプレックスを持ち出したり容姿を気にし始める人がたくさん出てきます。しかし成長期の子供にとって無理なダイエットは良くありません。

 

むしろ大人の体に成長していく段階で必要な栄養をしっかり供給しないでいると、自分が自覚していないだけで体内では様々な悪影響を及ぼしてしまう事があります。

 

もしも子供が食べないダイエットを始めてしまったら、それを止めさせて運動をするダイエットなど、別の方法を提案するなどして対策しましょう。

 

また、成長期は体重も身長もどんどん伸びていきますので、それに伴って酸素や栄養を体中に供給するためには血液中の赤血球の成分・ヘモグロビンがとても大切です。鉄分不足になるとヘモグロビンが作り出せなくなってしまい、これが貧血の症状として現れ始めます。

 

見た目を気にする年代でも、思春期の子供のダイエットに関しては食べないという選択肢を選ばせないようにしなくてはなりません。

 

<医療機関での処方薬や市販薬で治す>

 

貧血の症状がひどくなるとだるさや顔色の悪さ、持久力の無さや学力が落ちるなど、色々な面で支障が現れます。ですが一番気になるのはやはり立ちくらみやめまいといった症状でしょう。

 

これらが現れると気になって内科などの医療機関を受診し、血液検査を受ける子供も出てきます。もしも血液検査で鉄分不足が原因の鉄欠乏性貧血だと判明すれば、病院で鉄剤を処方してくれるのでこれを3か月〜半年程度飲み続けて治療していく事になります。

 

もしも病院で薬を処方されるレベルの鉄欠乏性貧血と判断されたら、鉄分の吸収を高めるために日々の食生活に気を使い、ビタミンCが摂取できる食品を中心に、野菜や果物といったバランスの良い栄養素が摂れる食生活をしていきましょう。

 

鉄剤などの薬は病院や薬剤師の指示に従って飲みますが、もしも食間に飲む薬で胃が痛くなってしまうようであれば食後に飲んでも大丈夫だとされています。

 

■子供の貧血の薬について

 

子供の貧血の薬には、インクレミンシロップやフェロミアなどがあります。まだ小さい子供の場合はインクレミンシロップの方が飲んでくれると思われます。乳児にも飲ませられるシロップ状の貧血の薬に関しては消毒したスポイトなどを使うと与えやすいです。

 

哺乳瓶で飲ませるとこの味を覚え、ミルクを飲まなくなってしまう可能性があるので注意しなければなりません。

 

■子供の貧血の薬の副作用には何がある?

 

子供の貧血の薬の副作用ですが、使用している間は便が黒くなるのが特徴的です。また、便秘や歯の黄ばみなどが起きる事もあります。もしも副作用で便秘がひどくなってしまう場合は軟便剤が処方される事もあります。

 

歯の黄ばみが気になったら重曹を歯磨き粉に付けてあまり力を入れすぎずに歯磨きをしたり、歯医者などで相談するのがおすすめです。

 

<鉄欠乏性貧血の薬の服用期間>

 

鉄欠乏性貧血の治療方法や日常生活で気を付けたい事は色々ありますが、日々の食事の改善で鉄分を補給し、貧血の症状を和らげる事ができればそれが一番です。

 

しかし鉄分の多い食事だけで鉄欠乏性貧血を治せない場合には、鉄剤を半年くらいの期間服用しつづけ、体内にフェリチンと呼ばれる貯蔵鉄をしっかりと増やす必要があります。

 

鉄欠乏性貧血の服薬による治療方法では、鉄剤の服用で貧血が改善しているかどうかを検査するためにおよそ一か月後に医療機関で採血して再び検査を行います。

 

鉄剤をのむ治療方法を初めて1〜2か月もすれば鉄欠乏性貧血の症状も改善に向かっていく人が多いのですが、この段階では目立った症状が起きづらくなってきても体内ではまだ貯蔵鉄が充分ではありません。そのため鉄欠乏性貧血の鉄剤の服用期間は半年ほどを要するのです。

 

体内で貯蔵鉄がしっかり蓄えられた事がわかったら鉄剤の服用をやめる事になります。

 

<乳幼児が薬をなかなか飲まない場合の対処方法>

 

乳幼児はいつもと違った違和感のある味がすると嫌がって薬をなかなか飲まない事があります。これについての対処方法ですが、母乳を飲んでいる乳児の場合はお母さんが鉄分をしっかりと摂取すれば母乳に鉄分が豊富に含まれるので鉄分不足の解消につながります。

 

また、離乳食がはじまった乳幼児の場合は9か月以降から鉄分が含まれているフォローアップミルクを与えるという手も使えます。離乳食にも鉄分が多く含まれている食品を使い、子供の鉄分不足を解消するために対処していきましょう。

 

また、この時期の子供が飲むお茶で鉄分が含まれているものもありますし、ヨーグルトは子どもも大好きですから鉄分入りのヨーグルトを選べば鉄分を無理なく摂取させてあげる事ができます。

 

<治療が終わっても油断禁物!貧血を再発させないための予防法>

 

治療の結果、鉄欠乏性貧血が改善したとしても、治療前と食生活などが少しも変わっていなければいずれ体内の貯蔵鉄が再び欠乏し始め、貧血が再発してしまう可能性があります。

 

貧血を再発させないためにも予防法をしっかりと把握し、食生活や生活習慣を改善していきましょう。それが習慣化すればきっと鉄欠乏性貧血を予防していけるはずです。

 

鉄欠乏性貧血の症状に悩まされた経験がある人は、積極的に鉄分の多い食品やサプリメントを摂取する事で鉄分を補うのがベストです。

 

小さな子供の場合は錠剤のサプリメントは飲みにくく、中には子供には与えないようにと表記されている物もあるのでなかなか難しいかもしれません。しかし最近では子供用サプリメントがかなり種類豊富になってきています。

 

まるでジュースのような味で子供にも好まれる青汁もありますし、栄養価の高いクロレラサプリなどもありますので、うまく用いて貧血の子供に鉄分を補給させてあげましょう。

 

子供の鉄分補給をさせる際に、子供がなかなか鉄分が多い食品やサプリを食べたり飲んだりしてくれないと親もとても大変ですし心配事が尽きませんよね。子供が喜んで飲んでくれて親も手間がかからなければそれが一番です。

 

なのでそういった事も踏まえて鉄分補給が出来る食品やサプリを選んでいく必要があります。

 

中でも多くの子供を持つ人達が鉄分補給に使っているのがこどもバナナ牛乳です。子供に必要な鉄分だけでなく、一緒に乳酸菌も摂れる優れものです。また、鉄分が豊富に含まれていてしかもノンカフェインのたんぽぽ茶というお茶もあります。

 

ノンカフェインなので授乳中のお母さんも鉄分補給をする事が出来ます。子供の鉄分補給のためには食習慣や生活習慣の改善も不可欠ですが、子供に無理やり食べさせたり飲ませたりするのではなく、出来れば自然に喜んで飲食できるようなものを選びたいものです。

 

子供の鉄欠乏性貧血の症状について治療方法を実践していく際は、長期に渡って鉄分を摂らせていく必要があります。それが習慣化できるような工夫をしていくのが望ましいと言えるでしょう。